校長室から

校長のひとり言

人権講話として

5月17日(火)の昼活動は人権講話の時間でした。この時間に以下のようなお話をしました。

人権講話より ~抜粋~

 皆さんは、アンパンマンとばいきんマン、どちらが偉いと思いますか?と聞くとほとんどの人が「アンパンマン」と答えます。
 ところが、「ばいきんマンだよ。」という人がいました。理由を聞くと、「ばいきんマンは、ドキンちゃんがほしいといったものを手に入れるために、人に頼らず、自分だけの努力で巨大ロボや光線銃、UFOなど、多くの発明品を作って、いろいろなものを手に入れるから。
 それに比べて、アンパンマンは、顔が濡れると力がでないという弱点があっても、それをなんとかしようともせず、負けそうになるといろいろな人に助けてもらって、最後は、仲間に助けられて、なんとかしてもらっているから、どう考えても、ばいきんマンの方が偉いと思う、とその人は言っていました。皆さんはどう思いますか?
 先生は、「アンパンマンの方が偉いと思っています。」理由は、アンパンマンは強いからです。ケンカが強いという訳ではありません。強いのは心です。強い心とは周りの人のことを考えて行動できる心のことです。カバオ君やちびぞう君にうさ子さんなど、仲間が困っていれば、顔が濡れると力がでないという弱点があっても、仲間を助けるために努力します。つまり、強い心というのは、相手の人のことを思う優しい心だと思います。
 ばいきんマンは、一見、頑張っているように見えますが、自分やドキンちゃんのことしか考えず、そのためにたくさんの人に迷惑をかけたり、困らせたりしても、全然気にしません。つまり自分勝手だと思います。だから、自分たちのことしか考えないばいきんマンよりも常に周りの人のことを考えて行動できる優しいアンパンマンの方が偉いと思うのです。あんパンチをもらって、いつかばいきんマンも周りの人の気持ちを考えて行動できるようになるといいなあと思っています。
 朝、丹生小の登校班の様子を見ていたとき、低学年の子がマスクを付けようとしていました。低学年の子の手には手提げがあり、マスクを付けるのに大変そうでした。その時、高学年の女の子が、その子の手提げを持ってあげました。1年生の子は、両手が使えるようになったので、すぐにマスクをつけることができました。「優しい心」を見つけた時でした。とても温かい気持ちになりました。
 毎日、戦争のニュースなど、暗い話が多くあります。世界中の人たちが、この優しい丹生小の子のように、もう少し周りの人のことを考えて行動すれば、もう少し世界はよい方に変わるのかなと思います。
 丹生小の皆さんは、これからも周りの人の気持ちを考えて行動できる優しい子であり続けてください。

 

                                                 以上  5月17日の人権講話より